欲望の党

何を言い出すかと思えば、日本をリセットするそうである。

小池百合子という政治家はちゃぶ台をひっくり返すことには長けているが、ひっくり返した後のことはほとんど語ったことがない。

外野にいる限りにおいてはちゃぶ台返しのパフォーマンスは派手で楽しいかもしれないが、何かを食わせてもらえると考えていた人には酷な話だ。

料理はどこにあるのかと訊けば、「私がひっくり返さなければちゃぶ台の裏側は見えなかったのよ。オホホ…」と返すのが小池氏なのである。

 

その小池氏が日本をリセットすると言う。

リセットとは何か?言葉通りに捉えれば日本をどこかの時点に戻すということになるが、取り巻く条件が異なる以上、時代を引き戻すことなど実際には出来はしない。

インパクトのある言葉を使いながらも、実は大したことは言っていないというパターンではないか。

 

結党の理由が中身のない言葉で飾られた一方で、小池氏が都知事を辞して国政に復帰するとか、民進党と合流するとか、真偽は定かでないものの私利私欲の蠢きとしか思えないことばかりが聞こえてくる。

この政党のどこに希望があるのか。欲望の党と呼んだ方がよほど相応しい。

民進党は消滅するほかないが…

民進党は消滅する。

これはもう既定路線だ。

 

もともと民進党旧民主党)には柱が3つしかなかった。

自民党じゃない

社会党じゃない

共産党じゃない

の3つだ。

 

社会党の消滅で柱の1つは失われ、野党共闘によって自ら1つの柱を毀損した。

もはや民進党を支えているのは「自民党じゃない」の1つだけだ。

しかしその柱は自民党以外の政党なら誰でも持っているのだ。

有権者民進党に投票する理由は最早残っていない。

 

が、しかし。日本の選挙制度は。

小選挙区制は結局のところ第3の民主党を要求するだけではないか。

金と数に惹かれる議員と、反自民・反共産でしかない有権者がいる限り、歴史は繰り返すのだ。

1度目は悲劇として、2度目は喜劇として。

では3度目は?