戦略的利益を共有しない韓国

文在寅政権の目的は朝鮮連邦の成立である。

そして目的とする朝鮮連邦は核とミサイルで武装している方が望ましいとさえ思っていてもおかしくない。

文在寅政権の行動を理解するポイントは2つ。

1.連邦政府の成立と統一は異なる

南の目標は朝鮮連邦までで留まっており、統一は遥かに先の出来事である。しかし北はそうではない。

常識的に考えると核とミサイルを持ったままの北朝鮮との連邦では、遠からず南は武力による抑圧を受けることになる。事態は合同演習の中止から在韓米軍の撤退、米韓同盟の撤廃へと進み、韓国の自由と民主は大きく損なわれることになるだろう。そしてその先にあるのは北による赤化統一である。

しかし親北派の世界観では連邦政府の成立により南は北の武力の脅威から逃れることになるので、これについて韓国世論を説得することは難しい。

2.核とミサイルは所持したままが望ましい

朝鮮連邦が成立すれば、北の核は連邦の核、北のミサイルは連邦のミサイルとなり、大国たる日中に対抗し得る、とするのが親北派の世界観なのである。

我々からすれば朝鮮連邦成立後も北の核は北の核、北のミサイルは北のミサイルであるので、最も抑圧を受けるのは南という結論になるが、韓国世論は連邦の成立で諸問題がすべて解決するというお花畑理論なので理解を共有することは不可能である。

 

以上を踏まえ、

・基本的価値観を共有せず

・戦略的利益も共有しない

ことを前提に、日本は朝鮮半島有事に備えなければならない。

 

本来であれば韓国は民主化にあたり、

北朝鮮のスパイの浸透、プロパガンダに十分警戒すること

・米韓同盟が国防の基軸であり、後ろ盾として在日米軍基地があること

・中国に経済的に過度に依存してはいけないこと

などを教育しなければならなかったが、いずれにも失敗した。

 

現在はこの帰結である。

これが現実である。